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僕たちはスーパージュニアです 13

2011年09月04日 17:12

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はい、今日の更新!!

ミミというのは日本のリカちゃん人形みたいなものでございます。

13. ミミ=スーパージュニア



 始発で早朝に帰ってきたせいか、宿所の中は静かなほうだった。俺たちはもしかして何もいわずに出て行ったことに叱られるんじゃないかと思い部屋に早く帰ろうとしたのだが、リビングのソファに誰かがうずくまって寝ているのが見えた。後姿で誰なのかはよく見えず、顔を見ようと近づいてみるとヨンウンヒョンだった。酒をどれだけ飲んだのか、ヨンウンヒョンは全身あちこちから酒の匂いがした。
「ヒョン! ヒョン、ちょっと起きて!!」
 俺たちふたりで揺すぶってヨンウンヒョンを起こしたが、まったく起きない。どうしようもないので部屋に運ぼうと運びやすい姿勢に直したが、さっきヨンウンヒョンを起こしたときに少し声を上げたせいでリョウクが起きたらしく、いつの間にか隣に立っていた。
「ヨンウンヒョンに触ってる手を放せ」
「おまえが運ぶのか? 重いからだめだ。おまえなんか力ないだろ」
「その手を放せって言ってるだろ、汚いから!!!」
 ありったけの力を混めてぶるぶる震えるリョウクの声に驚いたのはヒョクチェだけではなかった。俺もまた驚いてリョウクをじっと見つめた。
 普段はにこにこ笑っているばかりのリョウクの顔は固まっていき、ヒョウチェを、いや俺たちをじっと睨んでいた。
「おまえ、ヒョンに向かってどういう意味だ!!」
「ドンヘヒョンも同じだ。二人とも同じだ」
「どういう意味かわかるように言え、リョウク。どうしたんだ」
「俺に話しかけるな!!」
 その場所で微動だにせずたっているリョウクに近づくことも、どういうことだと声をかけることもできなかった。何か言えば叫んでしまうせいで、口を開くことさえできなかった。俺たちの声でメンバーたちが起きたらしく、すべての部屋のドアが順々に開いて、メンバーたちがリビングに出てきてしまった。突然なぜか不安が襲ってきた。
「……ドンヘ、帰ったのか」
 見境なく怒鳴ると思っていたジョンスヒョンが以外になんでもないようなふうに俺たちを受け入れた。今、宿所の雰囲気がなぜこうなのかと思い、声にはださずにそっと「どうしたの?」と聞いてみたが、ヒョンは何も言わなかった。ただじっと見つめている俺の目を避けたまま、視線を床に落としてしまった。メンバーたちもおかしかった。リョウクが叫んでいたのに、誰もその理由を聞いたりしなかった。むしろ、よくやったというふうにリョウクの次の言葉を待っているようだった。みんなおかしかった。あんなに穏やかだった宿所が。ここの空気が俺の首を絞めてくるように息苦しいばかりだった。慣れたこの場所ではなかった。生まれて初めて来たような、そんな雰囲気が漂っていた。
「みんな、どうしたんだ?」
 見ていられなかった俺が一言言ったが、何の反応もない。背筋がびりっとして、来るものが来たという、いや来たと思っていた不安感が俺を余計に苛々させた。.
「これからヒョンは、俺が聞く言葉に答えて」
「キム・リョウク、今度話をしよう。いや、今度じゃなくて明日。そう、明日起きてみんなでもう一度話をしよう」
「ヒョン、放して。知っているくせに知らないをしたヒョンも同罪だから」
「キム・リョウク、ヒョンの話を聞け!!」
「この状況でどんな話を聞けって言うの!?」
 突然目の前がぼんやりしてきた。正東津に行く汽車の中で感じた腹痛がまた繰り返されていた。耐えられない苦痛がどこから痛んでくるのかわからない苦痛が俺の体の中を激しく揺さぶっていた。
「俺の言葉をよく聞いて、はいかいいえのどちらかで答えて下さい」
「はぁ……言ってみろ」
 吐いてでもリョウクとの話を終わらせようと言う考えが、わずかな精神を支えていた。腰と腹が引きちぎれるほど痛んだが、それでも初めより苦痛が少しずく納まって来たので耐えることができた。額からは冷や汗が出たが、とてもたくさん流れているから敢えて拭おうとはしなかった。流れる冷や汗は背中からも流れて、中に着ていた半袖のTシャツは既に濡れてしまった。話が終わったらトイレに行ってシャワーもしなければならないと思った。
 しきりに頭の中にあれこれ考えが浮かぶせいで、リョウクの言葉に集中できなかった。実際、腹も痛いしメンバー達がみんな俺たちふたりを取り囲んでいるこの状況でリョウクの話が耳に入ってくるはずがなかった。俺はただ今この話が早く終わって、トイレに行って腹の中のものを全部吐きだしたというその考えだけだった。
「ヒョン。ヒョクチェヒョンと友達ですか?」
「そんな当然のこと……はぁ……どうして聞く」
「ただの友達で、それ以上でもそれ以下でもありませんか?」
「リョウク……ちゃんと話してくれ、俺に分かるように。ヒョンはおまえが何を言っているのか、何を答えてほしいのか全然わからない」
「愛し合う仲なんじゃないですか!!!」
「はあ? ……おまえ、今何て……」
「最後に残った希望でも持ちたいから、今この場所で違うと言ってください。そうすれば何も聞かずにヒョンの言葉だけ信じるから」
「……」
「どうして……一体どうして!!! 答えられないんですか!!! これが……話になる状況だと思いますか・ これが今、話になるかって!!! みんな狂ってるね、マジで。本当に狂ってる……ヒョンたちは患者ですか? ヒョンたちは精神病者か!??」
「祝福できないのなら、そんなふうに卑下もするな、キム・リョウク」
 ヒョクチェの言葉に、結局泣くのを我慢していたリョウクの目から、涙が零れ落ちてしまった。リョウクの言葉はひとつも間違っていなかったが、かといってヒョクチェの言葉も間違っているわけではなかったから、俺は口をぎゅっと閉じた。
「……俺は」
 俺は何かを決心して、とうとう口を開いた。するとメンバー全員の視線が俺に集中した。俺以外のメンバー全員の視線を一身に受けるこの状況は、二度としたくない経験だった。いくつもの目が俺を一度に見つめていると言うことは、かなり鳥肌立つ怖いことだ。
「……俺は……あのな……」
 俺は……。
「イ・ヒョクチェを愛していない」
 イ・ヒョクチェを愛している。
「俺たちは友達で、それ以上でもそれ以下でもないよ、リョウク」
 俺たちは恋人同士だ。どんな恋人たちよりも愛し合っている仲だ。
「だから、リョウクもそうだし、みんなもあんまり心配しないで。そこでそんなくだらない話を聞いたのか、だれがそんなくだらないことを言いふらしたのか知らないけれど、俺たちが仲良しであんまり一緒にいるからって妄想がひどすぎると思わない? 俺も男だ。みんなと同じ男なんだから、俺もグラマーな女の子がいいのに、男をすきになると思う?」
 俺は男が好きなのではなく、イ・ヒョクチェという名前を持ったひとりの人間を……笑う姿がとても素敵なひとりの人間が……好きで、愛しているんだ……。
「イ・ドンヘ!!!!」
「おまえもリョウクが冷やかしたからってそんなに出まかせ言うなって」
「俺が何を出まかせを言ったっていんだ!! おまえこそ、今何をばかなことを言っているんだ!!!!」
「俺たちのマンネを驚かし過ぎだろ」
「おまえ、どうしたんだマジで!!!」
「おまえが心配することは絶対にないから泣くな……」
 なんでもないような俺の行動にヒョクチェは怒ったらしく、俺の手首を掴んで荒々しく俺を引っ張り部屋に入った。
 部屋に入るなり、ヒョクチェは俺の手首を放し、俺を壁に押し付けた。ヒョクチェが掴んでいた手首の周りが赤く腫れあがり、ひりひりと痛んだ。まるで今の俺の心のように……。
「おまえどうしたんだ? 突然、どうしてこんな!!!」
「何が?」
「何がだって? 本気で聞いてるのか? マジで、イ・ドンヘ、しっかりしろ!!!」
「しっかりしなきゃならないのはおまえだ。まだ気がつかないのか? だからおまえがこんな悪戯にも簡単に騙されるんだ」
「いたずら? 騙す? お前、クスリでもやってんのか? さっきまで俺たちは海辺に一緒にいたこと忘れたのか? おまえ、マジでどうしたんだ!!! 理由を教えてくれ!!!」
「イ・ヒョクチェ、勘が鈍いとは思っていたがこれほどとは思わなかったな。おまえ、マジで最後まで大馬鹿だな」
「わかるようにちゃんと話せ、イ・ドンヘ」
「ただ、ファンたちがウネカップル、ウネカップルってあまりにも言うから、果たして俺たちが本当に愛し合うようになったらどうか、一度遊んでみただけさ。それだけだぜ、本当に。どうだった?」
「それ、おまえの本当の気持ちじゃないだろ」
「これが俺の本当の気持ちだ。現実をまっすぐ見ろ。この社会で同性同士の愛? それが可能だと思っているのか? はっ。笑えもしないな、マジだ。初めはおまえを騙せるかどうか確認しようと思っていたけれど、ずっと騙され続けるからおもしろくて俺も知らないうちに自然と演技していたんだ。正直、おまえにはすまないという言葉しか言えないが。まあそれでも……おまえもいい経験だったと思わないか? 面白かっただろ、こういうの。おまえもずっと楽しかったんだからいいじゃないか」
 パン……。
 頬を一発。おまえと俺が遠くなる一歩。
 パン……。
 二発。おまえと俺が遠くなる二歩。
 パン……。
 三発、おまえと俺が遠くなる三歩。
 俺の言葉に少なからず衝撃を受けたのか、ヒョクチェは俺の方を容赦なく殴った。怒りで震える彼の手で、今の彼の状態を十分に推し量ることができた。うらぎりに全身が震えるんだ。恥ずかしさにお前自身が悲惨になるんだ。その裏切り、恥ずかしさ、悲惨さ。そう、おまえはイ・ドンヘをそんなふうにだけ考えてくれ。
 愛する人に殴られるということがこんなにも痛いとは思わなかった。ヒョクチェは俺を一度も殴ったことはなかったから。だから感じたことがないのはあまりにも当然だった。今、殴られた俺の方がとてつもなく腫れあがり痛むけれど、それよりも泣いているヒョクチェの顔が、俺の今この瞬間の痛みよりももっと痛そうで、俺の心が余計に痛み、狂いそうなほど締めつけてきた。すぐにでも本気じゃないと……俺はお前を愛してると……どうしようもなくてこうしたんだと……叫びたかったが、それはできなかった。涙を拭いてあげたいけれど、それはできなかった。今、この瞬間俺ができることといえば、ただ何も言わずに彼に殴られることだけしかなかった。
 どれだけ殴られたか、俺の方がずきずきしてこれ以上は痛みさえなくなった。感覚が麻痺してもうひとつも痛くはなかったが、ヒョクチェは俺の頬を殴るのをやめなかった。愛していたのと同じくらい……俺を信じていたのと同じくらい……何度も何度も殴る理由は、彼がそれほど俺を愛していたせいだろうと、俺は自分を慰めた。
「俺は……おまえを本当に愛してた」
「……」
「……そんな俺に、おまえはいたずらだったって」
「……」
「おまえの前で途方に暮れる俺を見ていてどうだった。楽しかったか? そんなものが楽しかったか?」
「……」
「俺の前から消えろ。少しも見たくない……。死んでしまえばいい、おまえが」
「……」
「おまえ、俳優になってもいいな、イ・ドンヘ。かっこいいよ本当に、世界で最高にかっこよかった。おまえにはいい経験だったかもしれないが、俺は忘れたい世界で一番恥ずかしい記憶だ。おまえも同じ目に遭え。俺がやられたくらい、おまえも愛する人に捨てられて、俺と同じように傷つけ。俺が毎日おまえのために祈ってやるから。俺よりももっと苦しむように祈ってやる」
「……もう殴るのに済んだなら、ちょっと出ていってくれる? これで俺たちはおあいこだろ?」
 一筋の涙が彼の顔の上にまた流れて、彼は部屋を出ていった。
 彼の後ろ姿はいつ見てもとても寂しい。走って行ってだきしめたかった。本当にすぐにでも抱きしめて、耳元で愛していると囁きたかった。耐えていた悲しさが一度に押し寄せてきて抑えきれなくらいの涙が流れた。もしかして声でも出せばメンバー達が入ってくるんじゃないかと散らかっているクッションをただ口元に押し当てた。
 思っていたよりもずっと、本当に比較にならないくらいに悲しくてつらかった。あんなに涙を我慢して泣き声を飲みこんで、俺は自分一人で昔の思い出を濡らした。初めてヒョクチェに会ったときのときめき。一緒にした全てのこと。初めてキスした日……。彼の告白。そして……俺たちの結婚式。
 結局、顔を埋めているクッションが何の意味もないくらいに泣き声が大きくなって溢れた。断固として豪語していたが、今この瞬間からイ・ヒョクチェとイ・ドンヘは明らかに正常な生活を送れないだろう。……いや、もしかするとおまえはそれがほんのわずかの間だけかもしれないが、俺は本当に一生続くだろう。俺たちがまた愛を囁くことができる、そんな奇跡が起こらない以上は、俺は以前の姿には戻れないだろう。
 キィ……と聞きたくないドアの開く音がして、誰かが部屋の中に入って来た。涙がいっぱいになった顔をあげると、その場所でソンミンヒョンが悲しい微笑みを浮かべながら俺を見つめていた。一歩一歩……俺の方に近づいてくると、座りこんでいる俺の前に自分も座り、何も言わずに涙を拭いてくれた。偶然なのか、何なのかわからないが、俺が苦しい時、息もできないくらいに泣いているときは、いつも俺の隣にソンミンヒョンがいた。
「どうしてそんなにつらい恋を始めたんだ」
「……」
「終わりがはっきり見えている愛をどうして始めたんだ。おまえも本当はこんなふうになるとわかっていながら、どうして無謀な恋をしたんだ、ドンヘ」
「……」
「昨日、宿所に変な手紙が来た。その手紙の内容が、おまえとヒョクチェの関係に関する内容だったんだ。それを一番先にリョウクが見て、その次にメンバー全員が見たんだ。実は、俺はわかってた……いや、もしかするとメンバーみんな知っていたのかもしれない。おまえがさっきリョウクに言ったことなんて本気じゃないってこと。おまえはすごくヒョクチェを愛しているってこと。だけど……現実はそれではいけないから、俺たちはただおまえの言葉に全てを賭けて、違うってわかってるけど、おまえの言葉を信じるよ」
「……ヒョン……うぅっ……」
「それから、ジョンスに、おまえとハンギョンと一緒に中国進出する話を聞いた……。俺はジョンスが電話するのを聞いて知ったんだけど、ジョンスが他のメンバー達に言うなって。なんで言っちゃいけないのか聞いたら、おまえの頼みだって言われた」
「ふぅっ……うぅっ……」
「ドンヘ。重すぎる荷物をひとり背負おうとするな。そんなことをして突然その荷物が重くなりすぎたら、おまえは手に負えなくなって倒れてしまう……少しは分けてくれ。俺にもメンバーたちにも……がんばれ。頑張ってこい。きっと成功してこい。行って、ヒョクチェのことも忘れろ……新しく始めろ」
「ヒョン、心がすごく痛いよ。あいつでいっぱいだった俺の心臓からあいつがいなくなってしまったから、一度になくなってしまったものが大きすぎて。だからすごく痛いよ。俺は、耐えられなくても耐えなければならないけど、何も知らないヒョクチェはどうすればいい? うん? 俺は……俺は少しは幸せになってはいけないの? 俺はそうしてはいけないの?」
 何も間違ったことをしていないソンミンヒョンを捕まえて、訴えた。今、俺の心臓がこうだ。藁をも掴みたい心情。ソンミンヒョンは何も言わずにただ俺の背中を撫でて、抱きしめてくれた。その胸の中で俺は少しずつ落ち着いていき、とても温かいその胸の中で俺は眠りについてしまったらしい。
 幼い頃、女の子たちが好きだった人形ミミは自分の好きな通りに服を着せかえることができて、時には思い通り髪型を変えることもでき、メイクさえ思い通りにできた。だから女の子たちはその魅力に余計にはまって、そのミミという人形は大人気商品となった。
 その人気のせいでシリーズがいろいろ出て、結果は大ヒットだ。ミミは主人の気分通り……主人の趣向通り、思い通りにすることができるから思慮分別のない女の子たちの関心の対象となり、なくてはならな素敵な玩具となった。
 俺たちスーパージュニアは12人と言う大型グルーブであるため、チーム内からいくつものユニットを作ることができた。スーパージュニアは事務所の趣向通り、思い通りに彼らを番組、映画、ドラマなど金になる全ての番組にたくさんの人数で自由に回すことができた。だから12人のファンたちはどこにでも出るスーパージュニアに交換を持ち、いつの間にかファンになったと、スーパージュニアは歌謡界のトップというタイトルを掴みことができた。おかげで事務所はもっと金を稼ぎ、いろいろとユニットを作り、結果は大ヒットした。スーパージュニアは事務所にとって、なくてはならない人形となった。
 そしてミミは……限りなく愛されながらも、主人が飽きてしまうその瞬間に価値がなくなりゴミ箱に捨てられることになった……。


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