さっきの関東圏での地震、皆様大丈夫だったでしょうか。
りんたろは…ちょっと怖かったです。
長かったですよね。
千葉や埼玉は今日大雨警報も出ていて、地震もあって、本当に怖いですね。
今日もSmile,Junkyです。
そういえばこの小説に出てくる、
ギュヒョンの部屋の暗証番号は、
ギュヒョンとソンミンの誕生日をあわせた数なんですよね。
小説の中のどこでも説明は出てこないんですけど、
ファンならわかるメッセージですね。


りんたろは…ちょっと怖かったです。
長かったですよね。
千葉や埼玉は今日大雨警報も出ていて、地震もあって、本当に怖いですね。
今日もSmile,Junkyです。
そういえばこの小説に出てくる、
ギュヒョンの部屋の暗証番号は、
ギュヒョンとソンミンの誕生日をあわせた数なんですよね。
小説の中のどこでも説明は出てこないんですけど、
ファンならわかるメッセージですね。


トグンは突然の呼び出しに慌てたようで、まともに整えていない髪が鳥の巣のようだった。ギュヒョンの潔癖な態度とこざっぱりした外見から察するに、彼は身なりを整えられない人は好きではないらしい。トグンはぴょんと跳ねた髪の毛を苦労して押さえながら、もじもじししてギュヒョンの前に立った。
服もきちんと着られずに目の前に立っているトグンを見たギュヒョンの視線は、一気に細くなった。
カンインの手下のやつはみんなこうだ。上司に似て、礼儀も知らない。きちんと服を着ることもできない。無計画に生きているやつら――。ギュヒョンは眉間にしわを寄せて、癖のように舌先で口の中を叩いた。
「昨日、ソンミンはどうだった?」
「はい?」
「ソンミンはどうたったんだ?」
「ああ、それですけど、兄貴」
慌てるトグンの口から飛び出した「兄貴」なんて言葉に、ギュヒョンは眉をひそめた。近頃がどんな時代なのかは知らないが、そんな言葉遣いで――とにかく教育がなってないやつだ。
「カンインがソンミン様をお連れすると言って、わたくしは行きませんでした」
トグンが言った。
「なんだって? キム・ヨンウンが?」
「はい」
―!!!!!
言い終えるのと同時に、大木が倒れるような音を大理石の床に響かせながら、トグンが無残に倒れた。その前には足を上げたギュヒョンがいた。持ち上げた足は、湧き上がる怒りに細かく震えていた。普段は落ち着き整っているギュヒョンの顔が例えようのないほどに酷く歪んでいた。

殺気のこもった蹴りに倒れたトグンの背中に鳥肌が立つ。トグンは無意識に立ち上がったが、もう一度ギュヒョン靴がすねを蹴った。トグンの膝が崩れ落ちるのと同時に、ギュヒョンはトグンの頬を殴った。トグンはギュヒョンのことを大人しいだけで融通の聞かないだけの男だと思っていたが、拳は意外に強かった。裂けた口から流れる血が、大理石の床を赤く濡らした。
「おまえ、このクソ野郎! 誰があいつの言うことを聞けと言った?」
「うッ…!」
倒れたトグンの身体を、無慈悲な足が何度もしごいた。全身の痛覚が狂い、暴れるように身体じゅうが鈍く傷んだ。息をする度に、どくどくと血が溢れ出る。痛みに勝てず、トグンは呻き声をあげた。
「俺はおまえに連れてこいと言ったんだ。いつ、キム・ヨンウンに連れて来いと言った?」
理性を失い、暴れるギュヒョンの手の甲がもう一度トグンの頬に叩きこまれた。その次の瞬間――。
ギュヒョンの手首が掴まれた。反動でギュヒョンの肩が揺れる。振り返ると、カンインがいた。自分の部下が殴られているという話を聞いて、慌てて飛んできたようだった。さっと着たプレーンTシャツが白く光っていた。
「放せ」
ギュヒョンは言った。しかし、
「俺が、行くと言ったんだ」
「黙れ。俺の部下だ。おまえには関係ない」
「俺が……行きたいと言った」
同じ言葉を繰り返すカンインの一方的な意思疎通に気が滅入ったギュヒョンの眉間にしわが寄った。カンインはギュヒョンの言葉など聞く価値もないかのように、自分の意見だけを押しつけてきた。
「俺がおまえの家のガキに会ったから気を悪くしたのか?」
「……….」
「それで、俺がソンミンと寝たと思っているのか?」
カンインはしばらく黙ってから、唇の端に煙草をくわえた。
「ジャンキーが気まぐれに行動するのは、俺のせいなのか?」
「……….」
「……大切な恋人をちゃんと見張っておけと言っただろう」
予想外のところから出てきたカンインの発言に驚きと不快感が絡みあって、思わずギュヒョンの口が開いた。
カンインはギュヒョンの手を放すと、倒れていたトグンを起こした。
お涙頂戴の義理人情だな――。
ギュヒョンは、皮肉るセリフも出なかった。カンインに掴まれた手首に赤い痕が残っていた。
「……またジャンキーに干渉したら、次はおまえの頭に風穴を開けてやる」
ギュヒョンの脅迫に、カンインはぴくりと唇を持ち上げた。死ぬのは怖くない。そう言っているようだった。腐った魚みたいに干からびた瞳からは、生臭い匂いまでしてきそうだった。
「俺はあいつと寝ていない。おまえがちゃんと管理しろ」
トグンが流したどす黒い血がゆっくりとカンインの真っ白なTシャツに滲んでいく。巨体のトグンをずるずると引きずりながら カンインは事務室を出ていった。
カンインが踏んだ場所から生臭い匂いがしそうだった。込み上げる吐き気に、ギュヒョンは口を塞いだ。
気道を逆流する生臭い匂いに、ギュヒョンはトイレに駆け込んだ。便器に顔をつっこんで、気管を塞ぐ生臭い物を出そうと喉を開いて吐こうとした。が、何も出てはこなかった。生臭い匂いがまだどこからか上がってくる。誰かが首を絞めて揺さぶっているかのように、息ができなかった。
結局何も吐き出せないまま、ギュヒョンは床に座り込んだ。開かれたドアの向こう側の大理石の床に、トグンの血が落ちていた。
イ・ソンミンに完全に染み込ませることができなかった稚拙な利己心と融通が利かない不安だけが赤く染まっていき、醜い形を表す。生臭い匂いがした。なにかが腐って崩れ落ちていくような――。
*
こめかみに心臓がくっついたように、頭はドキドキという拍動の音に溢れていた。腹立たしさが治まったあとに、冷静になったギュヒョンにやってきたのは、ナーバスな気持ちだった。
バカなことをした。たとえ同盟を結んだと言っても、相手の組員に手を出すのはまだ御法度だった。しかし手を出してしまった。血のないチョ・ギュヒョンの血が逆流して、使ったこともない拳を握りしめて、野蛮だと批判していた靴を使った。
全てはイ・ソンミンのせいだった。自分勝手なようだが、実際理由はそれだった。全てはチョ・ギュヒョンの血を乾かせるイ・ソンミンという不完全な存在のせいだった。このことが上部の耳に入れば、ギュヒョンは酷い罰を受けるだろう。キム・ヨンウンはあちこち言いふらすような性格ではないが、あの部下たちの軽い口がぺらぺらと喋りまくることは間違いなかった。
ボスに会うのは酷く疲れる。高い地位にいる人間ならではの威圧的な存在感と暗黒の中で鍛えられた荒い性格は、いつもギュヒョンをちくちくと刺すようだった。頭のいい人間があまりいない世界なので、ギュヒョンはボスの特別待遇を受けていたが、ボスに会う度にギュヒョンは、彼が背負っている暗黒の下敷きになるような感じがした。なんとなくキム・ヨンウンに会うときと似ていた。
口をゆすいで覗き込んだ鏡の中には、みすぼらしい姿の自分がいた。目に浮かんだ疲弊の色にギュヒョンは、自分がこんなにくたびれていたのかと思った。
ギュヒョンは、自分を死んだように見つめていたキム・ヨンウンの生臭い瞳を思った。そして自分よりもくたびれているソンミンの、生気のない頬を思った。頭の中で何もかもが絡まるようだった。
キム・ヨンウンは毎日生死の境を行き来していた。日常的に向かい合う死に鈍感になってしまった彼の心は空しさに蝕まれていた。
ギュヒョンが、耐えられないほど後ろ向きなキム・ヨンウンの後頭部に風穴をあけてやりたいと思ったのは、ソンミンが持っている死に対する非常識な執着のせいだった。ギュヒョンが決して真似できないものに憧れてしまうソンミンの愚かな利己心のせいだった。
鏡の中には「愛」という美しい名の元に、残酷な化け物になった自分がいた。
「クソッ……」
ギュヒョンは冷たい水で顔を洗った。突然水を浴びた肌がすっかり火照った。
しっかりしろ。不吉な予感は自分の行き過ぎた飛躍した考えから来る副産物だ。キム・ヨンウンとイ・ソンミンの間には何もない――。
起きてもいないことに対して心配するのは確かにばからしいことだった。だがギュヒョンは、染料が広がるように全身に広がっていく不安を、そう簡単に落ち着けることができなかった。
服もきちんと着られずに目の前に立っているトグンを見たギュヒョンの視線は、一気に細くなった。
カンインの手下のやつはみんなこうだ。上司に似て、礼儀も知らない。きちんと服を着ることもできない。無計画に生きているやつら――。ギュヒョンは眉間にしわを寄せて、癖のように舌先で口の中を叩いた。
「昨日、ソンミンはどうだった?」
「はい?」
「ソンミンはどうたったんだ?」
「ああ、それですけど、兄貴」
慌てるトグンの口から飛び出した「兄貴」なんて言葉に、ギュヒョンは眉をひそめた。近頃がどんな時代なのかは知らないが、そんな言葉遣いで――とにかく教育がなってないやつだ。
「カンインがソンミン様をお連れすると言って、わたくしは行きませんでした」
トグンが言った。
「なんだって? キム・ヨンウンが?」
「はい」
―!!!!!
言い終えるのと同時に、大木が倒れるような音を大理石の床に響かせながら、トグンが無残に倒れた。その前には足を上げたギュヒョンがいた。持ち上げた足は、湧き上がる怒りに細かく震えていた。普段は落ち着き整っているギュヒョンの顔が例えようのないほどに酷く歪んでいた。

殺気のこもった蹴りに倒れたトグンの背中に鳥肌が立つ。トグンは無意識に立ち上がったが、もう一度ギュヒョン靴がすねを蹴った。トグンの膝が崩れ落ちるのと同時に、ギュヒョンはトグンの頬を殴った。トグンはギュヒョンのことを大人しいだけで融通の聞かないだけの男だと思っていたが、拳は意外に強かった。裂けた口から流れる血が、大理石の床を赤く濡らした。
「おまえ、このクソ野郎! 誰があいつの言うことを聞けと言った?」
「うッ…!」
倒れたトグンの身体を、無慈悲な足が何度もしごいた。全身の痛覚が狂い、暴れるように身体じゅうが鈍く傷んだ。息をする度に、どくどくと血が溢れ出る。痛みに勝てず、トグンは呻き声をあげた。
「俺はおまえに連れてこいと言ったんだ。いつ、キム・ヨンウンに連れて来いと言った?」
理性を失い、暴れるギュヒョンの手の甲がもう一度トグンの頬に叩きこまれた。その次の瞬間――。
ギュヒョンの手首が掴まれた。反動でギュヒョンの肩が揺れる。振り返ると、カンインがいた。自分の部下が殴られているという話を聞いて、慌てて飛んできたようだった。さっと着たプレーンTシャツが白く光っていた。
「放せ」
ギュヒョンは言った。しかし、
「俺が、行くと言ったんだ」
「黙れ。俺の部下だ。おまえには関係ない」
「俺が……行きたいと言った」
同じ言葉を繰り返すカンインの一方的な意思疎通に気が滅入ったギュヒョンの眉間にしわが寄った。カンインはギュヒョンの言葉など聞く価値もないかのように、自分の意見だけを押しつけてきた。
「俺がおまえの家のガキに会ったから気を悪くしたのか?」
「……….」
「それで、俺がソンミンと寝たと思っているのか?」
カンインはしばらく黙ってから、唇の端に煙草をくわえた。
「ジャンキーが気まぐれに行動するのは、俺のせいなのか?」
「……….」
「……大切な恋人をちゃんと見張っておけと言っただろう」
予想外のところから出てきたカンインの発言に驚きと不快感が絡みあって、思わずギュヒョンの口が開いた。
カンインはギュヒョンの手を放すと、倒れていたトグンを起こした。
お涙頂戴の義理人情だな――。
ギュヒョンは、皮肉るセリフも出なかった。カンインに掴まれた手首に赤い痕が残っていた。
「……またジャンキーに干渉したら、次はおまえの頭に風穴を開けてやる」
ギュヒョンの脅迫に、カンインはぴくりと唇を持ち上げた。死ぬのは怖くない。そう言っているようだった。腐った魚みたいに干からびた瞳からは、生臭い匂いまでしてきそうだった。
「俺はあいつと寝ていない。おまえがちゃんと管理しろ」
トグンが流したどす黒い血がゆっくりとカンインの真っ白なTシャツに滲んでいく。巨体のトグンをずるずると引きずりながら カンインは事務室を出ていった。
カンインが踏んだ場所から生臭い匂いがしそうだった。込み上げる吐き気に、ギュヒョンは口を塞いだ。
気道を逆流する生臭い匂いに、ギュヒョンはトイレに駆け込んだ。便器に顔をつっこんで、気管を塞ぐ生臭い物を出そうと喉を開いて吐こうとした。が、何も出てはこなかった。生臭い匂いがまだどこからか上がってくる。誰かが首を絞めて揺さぶっているかのように、息ができなかった。
結局何も吐き出せないまま、ギュヒョンは床に座り込んだ。開かれたドアの向こう側の大理石の床に、トグンの血が落ちていた。
イ・ソンミンに完全に染み込ませることができなかった稚拙な利己心と融通が利かない不安だけが赤く染まっていき、醜い形を表す。生臭い匂いがした。なにかが腐って崩れ落ちていくような――。
*
こめかみに心臓がくっついたように、頭はドキドキという拍動の音に溢れていた。腹立たしさが治まったあとに、冷静になったギュヒョンにやってきたのは、ナーバスな気持ちだった。
バカなことをした。たとえ同盟を結んだと言っても、相手の組員に手を出すのはまだ御法度だった。しかし手を出してしまった。血のないチョ・ギュヒョンの血が逆流して、使ったこともない拳を握りしめて、野蛮だと批判していた靴を使った。
全てはイ・ソンミンのせいだった。自分勝手なようだが、実際理由はそれだった。全てはチョ・ギュヒョンの血を乾かせるイ・ソンミンという不完全な存在のせいだった。このことが上部の耳に入れば、ギュヒョンは酷い罰を受けるだろう。キム・ヨンウンはあちこち言いふらすような性格ではないが、あの部下たちの軽い口がぺらぺらと喋りまくることは間違いなかった。
ボスに会うのは酷く疲れる。高い地位にいる人間ならではの威圧的な存在感と暗黒の中で鍛えられた荒い性格は、いつもギュヒョンをちくちくと刺すようだった。頭のいい人間があまりいない世界なので、ギュヒョンはボスの特別待遇を受けていたが、ボスに会う度にギュヒョンは、彼が背負っている暗黒の下敷きになるような感じがした。なんとなくキム・ヨンウンに会うときと似ていた。
口をゆすいで覗き込んだ鏡の中には、みすぼらしい姿の自分がいた。目に浮かんだ疲弊の色にギュヒョンは、自分がこんなにくたびれていたのかと思った。
ギュヒョンは、自分を死んだように見つめていたキム・ヨンウンの生臭い瞳を思った。そして自分よりもくたびれているソンミンの、生気のない頬を思った。頭の中で何もかもが絡まるようだった。
キム・ヨンウンは毎日生死の境を行き来していた。日常的に向かい合う死に鈍感になってしまった彼の心は空しさに蝕まれていた。
ギュヒョンが、耐えられないほど後ろ向きなキム・ヨンウンの後頭部に風穴をあけてやりたいと思ったのは、ソンミンが持っている死に対する非常識な執着のせいだった。ギュヒョンが決して真似できないものに憧れてしまうソンミンの愚かな利己心のせいだった。
鏡の中には「愛」という美しい名の元に、残酷な化け物になった自分がいた。
「クソッ……」
ギュヒョンは冷たい水で顔を洗った。突然水を浴びた肌がすっかり火照った。
しっかりしろ。不吉な予感は自分の行き過ぎた飛躍した考えから来る副産物だ。キム・ヨンウンとイ・ソンミンの間には何もない――。
起きてもいないことに対して心配するのは確かにばからしいことだった。だがギュヒョンは、染料が広がるように全身に広がっていく不安を、そう簡単に落ち着けることができなかった。








